活躍する同窓生「黒澤真由美さん」1

▲ 2025年3月3日 オペラ「椿姫」より / 名曲喫茶ヴィオロンにて / 撮影:河村雅範
イタリアオペラを中心としたクラシック系音楽の歌手
1981年卒業の黒澤真由美さん
かつて鶴ヶ丘高校には芸術課程(音楽科・美術科)がありました。音楽科を卒業された黒澤真由美さんは、イタリアオペラを中心としたクラシック系音楽の歌手です。母校への入学から鶴ヶ丘時代、そして現在までをご寄稿いただきました。普通科からも見えづらかった芸術課程のお話しです。
自己紹介
1982年音楽科卒業の黒澤真由美です。
イタリアオペラを中心に、主にクラシック系音楽の歌手をしています。
私が在籍していた当時の鶴高には、普通科の他に美術科と音楽科がありました。
高校の進路を決める際、「鶴高に行きたい!」と思っていた私は、当初、普通科を受験する予定でした。それなのになぜ音楽科を選んだかというと、学校案内のパンフレットを見ていた際、鶴高に音楽科があることを知り、幼い頃から音楽と歌うことが大好きでしたので、方向転換して、音楽科の声楽科を受験したのです。
幼い頃からピアノを習っていたものの、私にはまだ専門的な知識が全く無く、鶴高音楽科で学ぶ「音楽」や「音楽を学ぶ先輩方」、そして「同級生達」まで全てのことが、私にとって未知のものを経験する幼児のように全てが新鮮に感じられ、一つ一つワクワクしながら経験していました。
このような、個々が自由に存分に青春を謳歌しているワクワク感や空気感は、鶴高の大らかな校風だったような気がします。
鶴高卒業後はというと、ちょうど鶴高を卒業する頃、私の歌に関して思いがけない転機がありました。それはその時から今に至るまで、影響を受け続けてきた新たな歌の師との出会いでした。
その師は、東敦子さんという方で、その当時、メトロポリタン歌劇場やウィーン国立歌劇場など海外の劇場で活躍されていたオペラ歌手です。鶴高の音楽科で学んでいた私は、海外で活躍されている東敦子さんのことを新聞の記事で読み、存じ上げていました。
ちょうど私が鶴高生の頃、東敦子さんは、イタリアのミラノから日本に拠点を移されました。その当時、居を構えていらしたイタリアのミラノでは誘拐事件が多発しており、お子さんの身を案じて日本に転居されたのです。その拠点を移された場所が、なんと私の住んでいる町でした!
ある朝、私はいつもどおり通学のために、地元の駅のホームに立っていたところ、そこには電車を待っている東敦子さんがいらっしゃいました。
私は姿を見つけるや否や、駆け寄り、「私、歌を勉強しています」と話しかけていました。
世界的なテノール歌手パヴァロッティとも兄弟弟子である東敦子さんに!
その後、どのような会話をしたのか覚えていませんが、「そうなのね、頑張ってね」と言われたような気がします。
私は、あの襟元で細く結んだリボンの制服姿でした。その制服姿は可愛らしかったのですが、持っていたカバンは、当時、流行っていた故意に幅を狭めたちょっと不良っぽいカバンです。
この時ほど、カバンの幅を狭めなければ良かったと思った時はなかった!
その後、鶴高を卒業する数か月前から、東敦子さんがお亡くなりになるまで、18年間、師の下で学びました。それも鶴高音楽科で音楽を学んだ礎があったからこそです。
- 自己紹介 / 2025.10.7 公開
- 鶴高音楽科の先輩たち / 2025.10.14 公開予定
- 鶴高の音楽科の想い出 / 2025.10.21 公開予定
- 鶴高時代の想い出 / 2025.10.28 公開予定
- 鶴高卒業してから現在、そして今後 / 2025.11.4 公開予定
Mayumi Kurosawa Operatic Concert
満員御礼となりました。ありがとうございました。
ご寄稿いただきました黒澤真由美さんのコンサートが開催されます。
・開催日: 2025年11月9日(日)開演 14:30 / 開場 14:00
・会場: カフェ石橋亭 / 東京都杉並区天沼3-12-5(荻窪駅から585m)
・地図: https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131906/13021380/dtlmap/
・料金: 3,500円+500円(1ドリンク)
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