1. HOME
  2. IZUMI web
  3. FOCUS
  4. 活躍する同窓生「黒澤真由美さん」3

FOCUS

活躍する同窓生や生徒達を紹介します

FOCUS

活躍する同窓生「黒澤真由美さん」3

▲ 2025年3月3日 名曲喫茶ヴィオロンにて / 撮影:河村雅範

イタリアオペラを中心としたクラシック系音楽の歌手
1981年卒業の黒澤真由美さん

鶴高の音楽科の想い出

鶴高での想い出は、どれから書いたらよいか書き尽くせないほどあります。
本当に自由奔放に楽しい時期でした。夢中で遊んだこと、夢中で学んだこと。夢中で遊んだことも書きたいのですが、書いてもよいのかなと躊躇してしまうので、お行儀よく学んだことの中からひとつ書きます。
私が通っていた音楽科の校舎は、普通科の四角い中庭の見える校舎とは別にあり、離れのような「こじんまり」とした建物でした。門をくぐり、中庭を通り抜けた突き当りにありました。今は図書館が建っているその場所です。1階が職員室と小ホール、2階が教室でした。それとは別に、教室がある校舎のすぐ横に各部屋にピアノが置いてあるレッスン室の校舎がありました。そこには窓があり、生徒はその窓を施錠してから帰らなければなりませんでした。
でも、私たちは戸締りをしたふりをして、窓の鍵を一カ所だけ掛けずに帰っていました。私は、ある時期、朝6時過ぎに家を出て、まだ誰も登校していない音楽科のレッスン室の校舎へ行き、鍵が掛かってない窓を押し上げ、その窓に頭を突っ込んで無理やりレッスン室に入り、先輩にピアノ伴奏をお願いして歌の練習をしていました。伴奏をしてくださっていた先輩は男子だったので、同級生の友達からは「朝から二人で怪しい」と言われましたが、その当時の私は全くおませではなく、同級生が心配するようなことは何もなく、ピアノを弾いてもらい、時にはアドバイスをいただき、ひたすら歌っていました。
たぶん先生方はこのことを知っていたのだと思いますが、大らかに見て見ぬふりをしてくれていたのだと思います。それも、私にはその当時の鶴高らしいエピソードのような気がします。
そんなことが許される時代だったのでしょう。

現在の図書館棟、ここに音楽棟がありました。美術棟と異なり全面的に建て直されました。( 編集部 )

  1. 自己紹介 / 2025.10.7 公開
  2. 鶴高音楽科の先輩達 / 2025.10.14 公開
  3. 鶴高の音楽科の想い出 / 2025.10.21 公開
  4. 鶴高時代の想い出 / 2025.10.28 公開予定
  5. 鶴高卒業してから現在、そして今後 / 2025.11.4 公開予定