1. HOME
  2. IZUMI web
  3. FOCUS
  4. 活躍する同窓生「豊田チカさん」6

FOCUS

活躍する同窓生や生徒達を紹介します

FOCUS

活躍する同窓生「豊田チカさん」6

チカさんにとってJAZZとは

「ジャズに名曲なし、名演あるのみ」とその昔父が言ったそうですが、どの曲を歌うかではなく、何をやってもジャズになるのがジャズミュージシャンなんです。そしてジャズは「人生」ですから、生きたようにしか歌えない。私のミュージシャンとしての人生、母親としての人生が乗っかってくる…それが私の歌の世界です。ただ、忘れてはいけないのは、ジャズの誕生です。あくまでも黒人霊歌(ブルース)と教会で歌われたゴスペルが発祥ですから、我々日本人の血の中から生まれて来たものではありません。それに対してpatronizing になってはいけません。常に謙虚さと敬意を持って向き合っています。それと、ジャズは常にその時代その時代、前を向いて成熟して来た音楽ですから「懐メロ」になっては意味がありません。常にリアルタイムな音楽表現が要求されるのですが、気をつけなくてはならないのは、どんなインプロヴィゼーションをしたとしても、その曲に「手垢をつけてはいけない」という事だと思っています。

デビュー40年を振り返って

あっという間でした。アルバムをめくると、膨大な数のステージ写真があるので、長い間歌って来たんだなぁと思いますが。大雑把に言うと最初の10年は音痴との戦いから始まって何でも歌って伴奏してというがむしゃらな時代、次の10年はジャズ一色に染まった時代、35歳で渡米して本場NYジャズシーンの空気を吸いながら三人の息子を産み育て(前夫の連れ子も含めると子供六人の面倒を見ていた時期も)、離婚してシングルマザーとしての6年間を経て幼馴染の豊田と再婚、そして豊田の急死、父の癌闘病と死…激動の40年でしたが、ずっと歌って来たんですよね。。。そう言えば。

Jazz Vocalistとして一番うれしかったことは?

父の「80歳までにもう一度レコーディングしたい」という願いを(豊田が制作協力してくれて)叶え、「Dream?巨泉withチカ」をリリースした事、それと母の引退記念のアルバム「Mama 大好きなあなたへ」を(母の大ファンだった豊田への想いも込めて)制作出来た事ですね。両親は離婚してそれぞれ伴侶がいましたし、2人とも何でも持っているので、何をしてあげたら良いのかわからなかったのですが、一緒に歌う事で初めて親孝行が出来たような気になれました。「Mama…」は、三人の息子たちもコーラスで参加してくれたんです。究極の素人ですが(笑)